a5ad659265b900a2bd90afa3f19af0d9_s    

ランチの定食で「白米から玄米に無料で代えられる」とわかったら、じゃあ健康のために変更!と安易に思いますよね。

栄養価が高いからと、わざわざ市販の玄米を毎日食べているご家庭も多いのではないでしょうか?

玄米は、正しい食べ方をすればとっても栄養価が高い食品の一つです。

でもそんな栄養価が高い玄米でも間違った食べ方をしていたら、栄養価の高さが発揮されず全く意味がない、むしろ逆に体に良くない毒素の悪影響があることご存じでしたでしょうか。

あなたが購入している市販の玄米も、すがる思いで玄米に期待して買っている方は特に、その選び方にも注意したほうがいい点があります。

そこで今回は玄米食についての正しい知識と高い栄養価を安全に摂取する方法について紹介していきたいと思います。

玄米とは

そもそも玄米とはどんなものか知っていますか?

白米は玄米を精白したもの

玄米は、籾米(もみごめ)から籾殻(もみがら)だけを取り除いたお米です。

玄米からさらに糠(ぬか)と胚芽(はいが)を取り除き、胚乳(はいにゅう)のみにしたお米が白米になります。

kome

出典:healthクリニック「発芽玄米の正体

玄米は栄養価が高い

「玄米は体に良い」

これは一部誤解がありますが、

「玄米の栄養価が高い」

これは正解です。

こちらは白米の栄養価を100と考え、五分搗き米、玄米の栄養価の高さを表した図です。

genmaihikaku

出典:ホワイトフード「個宅精米の提案」

玄米の食物繊維は白米の8倍

玄米と白米を比較して最も優れている点が食物繊維の多さです。

玄米は、白米と比べると約8倍もの食物繊維を含んでいます。

食物繊維は、腸の働きを促進するため便通を良くして、体内の余分なコレステロールや糖分、発ガン物質などの有害物質を排出する働きがあります。

癌や生活習慣病の予防に効果があるのも科学的根拠のもと事実です。

では何が問題だと言いたいのでしょうか?

玄米の問題点

一番の問題は、「食べ方」が間違っていると人に悪影響を及ぼすものが含まれたままだということです。

これ以外にも調べてみるといろいろな“問題点”が出てきますが、根拠ある正しいもの(で私が自身をもって紹介できるもの)は現在こちらのみ。

  • アブシジン酸による健康影響
  • 消化がよくない
  • 「異物」が混じっているケースがある
  • 農薬の影響

※フィチンについてはよくデメリットとして取り上げられていますが、健康へ影響があるだろうと判断できるエビデンスレベルの情報は今のところありません!ので、ここでは言及しません。

それぞれ解説していきますね!

アブシジン酸による健康影響

玄米には、植物ホルモンであるアブシジン酸が多量に含まれています。

そのアブシジン酸が原因で起こる健康への影響としては、このような報告がありました。

  • アブシジン酸摂取で、毒素を排出する機能が低い人に生理障害が起こる
  • 毒素を排出する機能が低い人は、玄米食で違和感を感じたり、下痢などの反応を起こすケースがある
  • 玄米食で顔色が黒ずむというケースもある

これは玄米に含まれるアブシジン酸を食べることで人へどのような影響を与えるかを研究した結果わかったことです。

アブシジン酸の役割

アブシジン酸の本来の役割は、細胞活性抑制発芽抑制です。

玄米や雑穀を含む、すべての植物の種は、子孫を守るため・動物に食べすぎられないようにするため・落ちても腐らないための働きをもっています。

具体的には、取り込んだ栄養を閉じ込めて、乾燥しないように水分を中心部に集めて、芽を出す季節にGOの指令を出します。

このアブシジン酸、植物の種子にはこのように大事な存在ではありますが、人の体内に入ると良くない作用があるのです。

研究結果でようやくわかったことが、

  • 玄米を食べると、毒素を排泄する体の機能が弱い人は、アブシジン酸が刺激となって多量の活性酸素が産生される
  • 活性酸素は細胞を傷つけるため、体調不調を起こす

というもの。

なんだか難しくてよくわからないと思いますので、順を追って説明していきます。

活性酸素とはなにか?

私達が息をして吸い込んだ酸素は、体内に取り込む過程で、とっても敏感で不安定な形態に変化するケースがあります。

この酸素の状態が「活性酸素」と呼ばれます。

活性酸素は他の物質と反応して安定になろうとする性質があり、身体の栄養源であるタンパク質・脂質・核酸などとくっついて酸化させてしまうことがあるのです。

これを酸化傷害と呼びますが、これが「細胞を傷つけ体調不良を起こす」原因になるのです。

そして、そんな活性酸素をたくさん作りだす原因となるのがアブシジン酸というわけです。

消化がよくない

玄米をはじめとする雑穀米は、そのほとんどが「消化されにくい」です。

玄米が消化しにくい理由は、栄養成分を閉じ込めている堅い殻があるからです。

堅い殻というのは食物繊維のことを言います。

特に玄米の食物繊維は構造がガッチリ組まれていますので、その堅さで「よく噛まないで飲み込んでしまう」場合が多く、消化するのが大変で、つまり胃に負担をかけてしまうことにつながるのです。

よく「腹持ちがいい・悪い」と言いますが、言い換えるとそれは「消化吸収する速さ」のことを指します。

パンとごはんを比べるとごはんの方が腹持ちがいいのは、ごはんのほうが消化するのに時間がかかるという意味で、すぐにエネルギーになるパンは消化しやすいということなのです。

そういう点で玄米、特に食感が堅いものは消化が良くないのです。

さらにいうと、「構造がガッチリ組まれている」ということは、内部に詰っている「旨み成分」や「栄養成分」が表に出てきずらいということになります。

玄米を上手に食べる方法は後ほど紹介しますが、よく噛まずに・堅いまま食べていては良いことなしということです。

「異物」が混じっているケースがある

お米は通常出荷される前に「精米」という過程を経て来ます。

精米は、お米についている糠を削り取る作業ですが、同時に、傷んだ部分である被害粒や田んぼでついた砂粒・ガラス片・動物の糞などを除去します。

でも、玄米の場合は、それらを除去する選別機を通さない場合がほとんどです。

最近ではある程度は選別するようになったようですが、完全に除去出来ていないのが現実です。

そのため、あらかじめ商品に“注意事項”として表記しているものもあります。

こちらは注意事項の一例です。

ibutu

楽天市場:あきたこまち

絶対に安心な商品を選びたい場合は、「石抜き・混入物除去をしている玄米」を選ぶと良いでしょう。

農薬の影響

玄米に限らず農薬問題は後を絶ちませんが、玄米についていえば、特に籾や米糠に農薬が残りやすいことがわかっています。

米糠部分に玄米の最大のメリットである栄養素が詰まっているわけですが、精米しない玄米をそのまま食べるということは、そこに一緒に溜まっている農薬も体内に取り込んでしまうということです。

もちろん、玄米の農薬による健康被害の報告はこれまでありませんが、報告にあがるまでもないけれども日常の“体の不調”は、これが積もり積もった原因かもしれません。

また報告がない理由としては、1回の摂取量が少量のため、それこそ何十年と食べ続けてやっと健康被害として現れるケースがあったとして、それが「玄米に入っている農薬のせいだ!」と断定する調査を行うのは、とてもとてもとても大変であるというのが本当のところです。

とはいえ、自然界から産まれるものではない人工的な化学物質は、体に良いことは決してないので、できることなら避けたいと私は思います。

もちろん、玄米にも無農薬・無化学栽培のものがありますのでチェックしてみてください。

玄米の栄養価を損なわず安全に食べる方法

玄米の良くない点はこのようなかんじですが、ではその豊富な栄養成分を安全に摂取する方法はないのでしょうか。

一番問題視されているのが「アブシジン酸の健康被害」です。

玄米を発芽玄米にする

これを回避する方法は、玄米を発芽させて発芽玄米にすることが1番の回避方法になります。

これが発芽玄米です。

 

b1826ee48c3c4c6f29673d48a58bdaab_s

芽がちょこんと出ていますよね。

この状態の玄米なら安心です。

玄米を発芽させると、正常に発芽させるために働いていたアブシジン酸はもう役目を終えて消えてしまいます。

つまり、危惧していたアブシジン酸の悪影響は心配なくなるということになります。

発芽させる方法は、ほかのサイトでもたくさん紹介されていて、細かいより良い手順なども挟みこまれていますが、基本は、買ってきた玄米をひたひたの水につけて約半日置きっぱなしにすればOKです。

より意識高くと思うならば、その水はミネラルウォーターで行ってもいいですけどね。

芽がちょろっと出てくれば発芽玄米の完成です。

市販の玄米は発芽しないものも多い

なお、果たして市販の玄米がちゃんと発芽するのか?!実験した報告も見受けられます。

これは科学的根拠のある話ではありませんが、どれも半分も芽を出さなかったという残念な結果が目につきました。

繰り返しますが、これはエビデンスはない個人が「試してみた!」レベルのものなので、すべてがそうであるわけではないはずです…

もちろん、発芽しない玄米は、アブシジン酸はそのままですし、堅い殻に覆われて吸収しにくいし、あまり良いことはありませんよね。

全部発芽しなかったら選り分け作業が面倒

玄米から発芽させて炊飯しようという場合、

今述べたとおり、発芽しない玄米がだいぶまぎれこんでくる事実と向き合う必要があります。

発芽玄米だけを!と思う方は、ここから一粒ずつ選り分ける必要があるということ…

完全に安全で栄養価の高い玄米を摂取しようと思ったら、思っていたよりも手間がかかるのです。

栄養価の高いものを簡単に摂取しようと考えると、このようにリスクがついて回る場合が多いです。

でも、玄米の場合は正しい食べ方で摂取すればとても栄養成分豊富です。

今回詳しくは紹介しなかった抗がん作用や便秘解消にも期待できるのです。

普段玄米を食べている方、これからまずは買ってみようと考えている方は、どうぞ正しい食べ方で玄米食を楽しんでくださいね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

玄米食に関しては、エビデンスが多くはないうえに生化学の領域ががっつりと絡んでくるため、なかなか理解が難しく賛否両論になりがちです。

でも、正しく発芽させて生きている玄米を食べればとっても体に良いということはご理解いただけたかと思います。

ちなみに、ここまで書いておいて、私は玄米は「食べない派」。

反対派ではありませんよ。

「玄米・雑穀米から得られる栄養分は他の食品からいくらでも摂れる、わざわざリスクを冒してまで・手間をかけてまでここから摂ろうとは思わない」

という意味です。

玄米の強みである食物繊維は、確かに他のメニューから食べればいいんですものね。

でも、普段忙しくしているせいで食物繊維が不足しがちなのは現代人の悩みの種。

そういう方は、いつもの白米を信頼できる玄米に変えて、少しでも栄養を摂ることをオススメします。

参考論文

Santina Bruzzone, Iliana Moreschi, Cesare Usai, Lucrezia Guida, Gianluca Damonte, Annalisa Salis, Sonia Scarfi`, Enrico Millo, Antonio De Flora, and Elena Zocchi :Abscisic acid is an endogenous cytokine in human granulocytes with cyclic ADP-ribose as second messenger. Proc Natl Acad Sci U S A. 2007