ダイエットや健康法として、「小麦を食べない」方法が流行っていますよね。

小麦でできている食品は、パン、ピザ、うどん、ラーメン、お好み焼き…

それは、小麦粉の中から生成されるグルテンが、体調不良の原因になっているケースがあるから。

代表的な症状には便秘も含まれますので、今回は便秘改善方法としてグルテンフリーを紹介します。

小麦粉の中のグルテンとは

グルテンとは、小麦粉の中に約10%含まれるタンパク質の1つ、グルテニンとグリアジンから作られる別のタンパク質です。

出典:文部科学省:五訂増強日本食品標準成分表

小麦粉の成分のほとんどはデンプンで、うどんを作るのに欠かせません。

食品成分表でいうところの「炭水化物」がデンプンを含む成分です。

が、もちもちの食感は、弾力性・粘着性が強みのグルテンあってこそ。

すぐ切れてしまううどんがあったとしたら、そのうどんは生地を練るのが不十分で、均一にグルテンが生成されなかった可能性があります。

また、ふわふわのパンをふっくら膨らませるためには、デンプンでなくグルテンが必須。

パンを作る過程で生地をこねる作業がありますよね。

この作業でグルテニンとグリアジンが混ざり合うことで、グルテンが生成されれます。

便秘とグルテンとの関連

小麦粉の中から生成されるグルテンは「有害」という位置づけです。

それは、グルテンを食べると腸の調子を悪くするケースがあったから。

腸の不調は、消化機能の低下を意味し、便通状態を悪化させることにつながります。

2010年に発表されたこんな論文があります。

Biesiekierski JR et al: Gluten causes gastrointestinal symptoms in subjects without celiac disease: a double-blind randomized placebo-controlled trial. Am J Gastroenterol. 2011 Mar;106(3):508-14,2011.

グルテンが腸に及ぼす影響を調べたものです。

過敏性腸症候群の患者さん34名を2つのグループに分けて、グループ①にはグルテンが入った食事を、グループ②にはグルテンを抜いた食事をとってもらいました。

過敏性腸症候群とは、

腸が精神的ストレスや自律神経失調などの原因で刺激に対して過敏な状態になり、便通異常を起こす病気。腸に炎症・潰瘍・内分泌異常などが認められないにも関わらず、慢性的に腹部の膨張感や腹痛を訴えたり、下痢や便秘などの便通の異常を感じる症候群です。

引用:厚生労働省 e-ヘルスネット「過敏性腸症候群」

その結果、グループ①とグループ②でこんな症状の違いがでたのです。

グルテンの入った食事をとっているグループ①のほうが、

  • 胃腸痛
  • ガスがたまる
  • 便が硬くなる
  • 疲労感

が現れたとのことで、過敏性腸症候群の症状を悪化させました。

過敏性腸症候群は日本人の10~15%が罹っているといわれています。

その他の論文でも、グルテンが腸に悪影響を及ぼすケースが報告されています。

なおご注意いただきたいのが、グルテンが悪影響を及ぼすのは、グルテンに敏感な人だけ

よくアレルギーと混同されますが、それと同じイメージでしょうか。

例えば、卵アレルギーではない人が卵を食べても全く問題ないですよね。

卵は栄養価が高く、適量を守って食べると健康に良いもの。

小麦粉も同じです。

ただ、グルテンに敏感な体質の人は、グルテンが原因である疾患にかかっている可能性もあります。

それらについてはこのあとご紹介しますが、ここでいいたいのは、便秘の要因がグルテンである人もいるということです。

健康法として話題のグルテンフリーへの誤解

欧米発信の健康法として「グルテンフリー」が流行り、特に海外セレブを中心に、健康食としての「グルテンフリー」商品が人気です。

健康志向をうたうお店では、「グルテンフリー」コーナーを設けるほど。

グルテンフリーは、欧米の「Diet」として日本に渡ってきましたが、Diet=痩せることを目的としたダイエットではなく、「Diet」の意味は本来「食事療法」という意味を持ちます。

また、グルテン=有害というイメージもどういうわけか広まってしまっています。

でも、グルテンフリーには一部誤解があるということは覚えておいてください。

まず前提は、グルテンが悪影響を及ぼす人は一部ということ。

そして、グルテンを絶つことが全てのケースにおいて健康法とはいえないということです。

有効なのはグルテンが原因の疾患の人だけ

アレルギー疾患とは異なりますが、セリアック病グルテン過敏症・不耐症という病気は、原因がグルテンです。

便秘のほかにこんな症状で困っている方は、試しにグルテンフリーをしてみて良いかもしれません。

  • 腹部膨満感
  • 便秘
  • 下痢
  • 腹痛
  • 栄養不足
  • 貧血
  • 慢性的な疲労
  • 抑うつ症状
  • 片頭痛
  • PMS(月経前症候群)
  • 更年期障害

グルテンに腸が敏感に反応して炎症を起こすと、これらの症状が発現します。

でも、これらの症状が出ていても、「ちょっと体調が悪い」「我慢できないほどではない」程度では、病院なんか行かないという人は多いと思います。

病気の診断を受けるのは病院に行かなくてはかないません。

でも、気になる人は、ためしに3週間グルテンを抜いてみると良いとのこと。

グルテンフリーをすることで体調が劇的に改善する場合、その人はセリアック病やグルテン過敏症・不耐症にかかっている可能性があるのです。

ちなみに、3週間という期間は、スクエアクリニックの院長である本間先生が、「日経Gooday」の取材で話されたことですが、根拠となるソースはわかりませんでした。

本間先生によると、

「グルテンが原因と思われる不調がある人は、一定期間グルテンを抜いてみるといい」

「まずは3週間を目安に試して、体調の変化を見るといいでしょう。悩んでいた症状がそれにより改善されれば、グルテンが原因だったと推測できます」

引用:日経Gooday 30+「グルテンフリー・ダイエット」の大誤解 

とのことです。

グルテンを抜くことで、腸の炎症が抑えられ改善につながる可能性があるわけですね。

小麦粉を絶つ=貴重な栄養源が摂れないということ

でもこの際気を付けなければならないことが栄養管理

グルテンフリーを徹底するということは、小麦食品を絶つということです。

栄養価の高い小麦を全く摂らないことは、栄養バランスの偏りにつながり、健康上のリスクがあるともいわれています

ちなみに、テニス選手で有名なジョコビッチ選手、彼は自身の健康法としてグルテンフリーを取り入れていることで知られています。

彼がやっているからと、ダイエット目的で流行しましたが、そこには大きな誤解があります。

彼がグルテンフリーを行っている理由は、彼がグルテン不耐症だったから

体調が悪い原因がグルテンだったことがわかり、グルテンを絶つことで体調を改善させ、好調を維持しているのです。

だから、グルテンフリーが一般的なダイエット法として理解されていることは大きな間違いです。

グルテンが原因の疾患の人にだけ有効だということを覚えておいてくださいね。

アレルギーじゃない人がグルテンフリーをすると

一方、別にアレルギーではない人が過度なグルテンフリーを決行するとどうなってしまうか…

グルテンを断絶するということは、毎食から小麦粉を一切絶つということになります。

小麦粉はビタミン・食物繊維が豊富な穀類です。

小麦粉を絶つということは、普段小麦粉から摂取していたこれらの栄養素が摂取できなくなるということを意味します

食品成分表から比較してみると、小麦粉はキノコ類と同じ程度、野菜と比較すると、ピーマンやネギなどと同じ程度の食物繊維が含まれています。

ちょっと驚きでしょう?

豆類や海藻類の食物繊維には敵いませんが、穀類は食品群の中でも食物繊維が豊富なのです。

ちなみに、小麦で最も食物繊維を多く含んでいて栄養価が高いのは表皮、ブランと呼ばれているところです。

ブランを食べることで体調が改善したという論文が最近でて話題となりましたが、それだけ小麦粉は食べることが健康に良いとされる食品なのです。

試しにグルテンフリーしてみても良いと思いますが、その際は小麦粉の分の栄養素を別の食品で補うことを忘れずに。

劇的な改善が認められなかったら即刻中止して、別の方法にトライしましょう。

まとめ

というわけで、まとめると

「小麦粉の中で生成されるグルテンが原因の疾患の人であれば、グルテンフリーによる体調改善に効果あり!」

という形です。

便秘がちな人は、試しに3週間グルテンフリーしてみると良いかもしれません。

まー、ただ個人的にはずっと小麦粉類を食べれないなら他の便秘解消法を探してもいいような気はしますけどねー。

いろいろな方法についてこちらの記事でも紹介しているので興味と時間があれば読んでみてください。