シンデレラ体重の目標設定値は危険?ダイエットする際のポイント

「シンデレラ体重」という言葉をご存知でしょうか?

ダイエット女子に流行しているという「目標体重」とのことで、Twitterなどで検索してみても、確かにダイエットの目標にしている女性がいらっしゃるようです。

ニュースなどによれば「タレントの小嶋陽菜さんがシンデレラ体重らしい」という話もあります。

ただこれまでの経験上、モデルさんや女優さんなどの体型を目標にするダイエットには、何らかの問題があることが多いです。

管理栄養士としては、若い女性のダイエットについては、やりすぎに注意していただきたいもの。

実際のところ「シンデレラ体重」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

今回は、シンデレラ体重を中心に、ダイエットについて解説します。

そもそもシンデレラ体重とは?

「シンデレラ体重」は、身長と体重のバランスから計算する数字です。

もともとは、大手エステの「たかの友梨ビューティクリニック」が提唱したと言われています。(毎年「シンデレラコ大会」なども開催していますね)

しかし、その「定義」はいろいろ存在しているようです。まずは「シンデレラ体重」はどの程度の体重なのかを、調べてみましょう。

“元祖”シンデレラ体重は?

2018年4月現在、たかの友梨ビューティクリニックが提唱しているシンデレラ体重は、以下の通り。

標準体重の測定方法は「身長(m)×身長(m)×22」

“たかの友梨”が考えるシンデレラ体重(理想体重)は「標準体重×0.9」

【出典】たかの友梨式 5つの黄金法則 |エステといえば“たかの友梨”

この計算式は、BMI(ボディマス指数)と言われるものです。

ここで「理想体重」とされているのは、成人を対象として「統計的にもっとも高血圧、高脂血症、肝障害、耐糖能異常などの病気にかかりにくくなる」という数字。

要するに「病気になりにくい体重」が、この「BMI22」なのです。

さて、たかの友梨ビューティクリニック式のシンデレラ体重は「身長(m)×身長(m)×22×0.9」

試しに私の身長を入れてみると……1.65×1.65×22×0.9=53.9kgとなります。現在の体重より、1㎏ほど低い体重になりました。

これはBMIで言えば「19.8」に当たりますが、世界的に採用されているWHOの基準では、標準体重の範囲内ということになります。

管理栄養士から見ても、美容と健康のバランスが取れると言っていい数字です。

“新説”シンデレラ体重は?

調べたところによると、現在のシンデレラ体重は計算式が異なっています。それは

標準体重の測定方法は「身長(m)×身長(m)×20×0.9」

というもの。“元祖”である、たかの友梨ビューティクリニックが提唱する計算式よりも、さらに低い数値になっているのです。

BMIに換算すると「18.0」となります。

WHOの基準では、BMIが18.5を下回ると「やせ」になりますので、この数字はやや病的なラインということになります。

このような変化がどうして起きたのか……原因のひとつは、日本の女性の「自分の身体に対する評価」があるのではないでしょうか。

国立青少年教育振興機構の調べによれば、日本人女性の自己評価は「少し太っている」「太っている」が51.9%と、アメリカ、中国、韓国に比べて多くなっています。

また、標準体重の女性の中で「少し太っている」「太っている」と思っている方が40%以上と、他の国に対して目立って多い結果となりました。

【出典】高校生の心と体の健康に関する意識調査―日本・米国・中国・韓国の比較―

体重は問題ないのに「太っている」と思っていれば、さらにやせることを目指してしまうのは納得できます。

しかしご存知のように、やせすぎには多くの悪影響があるのです。

BMIが低すぎると身体に悪影響が出やすくなる

無理なダイエットでやせすぎになってしまうと、身体に悪影響が出やすくなります。

症状の重さには個人差がありますが、よく言われているのは以下のようなもの。

  • 疲れやすい
  • 冷え性
  • 肩こり
  • 肌荒れ
  • 生理不順
  • 免疫力の低下

悪影響を並べると脅すようになるので、恐縮なのですが……。

無理なダイエットで体重が落ちると、筋肉の量も減ってしまいがちです。

その結果、疲れやすい、冷え性、肩こりといった症状が出やすくなります。

筋肉の量が減ると基礎代謝も落ちるため、リバウンドしやすい身体になるというのも、よく知られています。

また、体重の低下によって女性ホルモンの分泌が少なくなり、肌荒れや生理不順の原因にもなります。

将来的な妊娠や出産にも悪影響を及ぼしやすくなると、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

ダイエットの目標にするなら、こういった悪影響の出にくい範囲にしていただきたいというのが、管理栄養士としてはお願いしたいところです。

管理栄養士から見るダイエット

世の中には、いろいろなダイエットの本が出ています。現在はやや下火になったとはいえ「低炭水化物」は根強い人気です。

また最近は減少傾向にありますが「単品ダイエット(朝バナナダイエットやリンゴダイエットなど、ひとつの食材を食べるもの)」も散見されます。

しかし、ダイエットの流行は数か月~数年で入れ替わっています。

ということは、それらのダイエットは「決定版」ではないということです。

「これは絶対やせる!」と言う方法が確立すれば、新しいダイエット法は必要ありませんからね。

人によって合う・合わないはあるでしょうけれど、たとえば

  • 食事に飽きてしまう
  • 空腹感に耐えられない
  • 効果があまり出ない

という問題が多いということです。

これまで栄養指導を行ってきた経験上、やはりこういったダイエット法については、いろいろ手を出しては失敗するというパターンは少なくありません。

そもそも「本は買ったけど実践しなかった」というパターンも多いのですが。

個人的に「決定版」と言っていいのは「バランスよく食べて、適度に運動」という方法だと考えています。

地道で面白みに欠けるので、決してベストセラーにはなりませんが……結局のところ「王道」が一番効果的です。

もちろん、食事も運動も完璧にできればそれに越したことはありませんが、食事の内容や時間を見直したり、日常生活の中に少し動く習慣を取り入れたりするだけでもOKです。

少しずつ改善していくというのが、長い目で見た理想のダイエットと言えるでしょう。

「すぐに効果を出したい!」という方には悠長な方法ですが、早く結果を出そうとすればするほど、身体への負担が大きくなるので、あまりオススメはできません。

ダイエット系サプリメントを分析

他に気になるものには、ダイエット効果をうたう「健康食品」や「サプリメント」があります。

口コミなどでは「芸能人が使用している」「20kg減少」「やせ過ぎに注意」などの過激な売り文句も散見されますが、サプリメントはあくまでサポート。

これを飲むだけでやせるというのは、期待しない方がいいでしょう。

ダイエット系のサプリメントに含まれる成分は、以下のようなタイプに分類されます。

食物繊維で消化・吸収を遅くするタイプ

「難消化性デキストリン」「グルコマンナン」などの食物繊維は、食事から摂取した栄養の消化・吸収を邪魔する性質があります。

そのため、血糖値の上昇を防いでくれるというわけです。

お菓子など、糖質の多い食事は血糖値を上げやすくなります。

血液中の糖はエネルギーのもとになるのですが、血糖値が一気に上がった場合、エネルギーとして使い切れなかった分は体脂肪に変わってしまうのです。

食物繊維によって血糖値を緩やかに上げれば、体脂肪に変わるのを防ぎ、生活の中で少しずつエネルギーとして消費しやすくなります。

下剤の成分を配合したタイプ

サプリメントやハーブティーなどに使われている「キャンドルブッシュ」には、下剤の成分が含まれています。

たしかに便秘気味の方の場合は、一時的に数kgの体重減少があってもおかしくないですが、ダイエットで落としたいのはあくまで「体脂肪」であって、下剤による体重減少をダイエット効果とするのは疑問です。

また、キャンドルブッシュは効果が強いため、過去に過剰摂取による健康被害が報告されています。

どのサプリメントにも言えることではありますが、使用する量には注意しましょう。

【出典】キャンドルブッシュを含む健康茶-下剤成分(センノシド)を含むため過剰摂取に注意-(発表情報)_国民生活センター

ショウガや唐辛子などの成分を配合したタイプ

漢方や薬膳の世界では「身体を温める」と言われるショウガや唐辛子を配合している場合、たとえば「基礎代謝をアップする」などの広告が見受けられます。

ただし、配合されている量や、どの程度の影響力があるかは商品によって異なります。

以前ご紹介した「褐色脂肪組織」の記事でも、これらの成分が活性を上げる可能性があると紹介しましたが、現時点では研究中です。

褐色脂肪組織の基礎知識。肥満や生活習慣病の予防に期待できる理由

アミノ酸を配合したタイプ

BCAA(分岐鎖アミノ酸)」や「L-カルニチン」などのアミノ酸によって、有酸素運動や筋トレの効率を上げるというタイプのサプリメントもあります。

もちろん、運動を併用することが前提です。

サプリメントや健康食品は、これらの成分(またはその組み合わせ)に、ビタミンやミネラルを配合したものが多いです。

どのサプリメントにも共通して言えることですが、これを飲んでいれば何もしなくてもOKというものではありません

普段からバランスのいい食事や、適度な運動をした上で、サポートとして取り入れるというのが原則になりますので、サプリメントに頼りすぎないように注意しましょう。

BMIや体重計の数字はあくまで目安にする

前述したとおり、BMIの計算式では「身長(m)×身長(m)×22」というのが、健康的な体重と言われています。

ただし、一般的には「太っている」と言われることもある体重なので、美容体重という意味では“元祖”シンデレラ体重に近い「身長(m)×身長(m)×20~21」というのがひとつの参考ラインになるでしょう。

ちなみに私は、この数字で維持できるように食事などを調整しています。

ただし、これも個人差があります。

たとえば部活動などでスポーツをやっている方は、筋肉が多い分、目標体重も多くなります。(筋肉は脂肪よりも重いためです)

筋肉は、くびれなどのきれいな身体のラインを作るためにも大切ですので、たとえば「体重は多いけど、スタイルはいい」ということも十分に考えられます。

ダイエットの目的は「キレイになる」というものですので、BMIや体重計の数字はあくまで目安で、鏡を見たり、他の人に見てもらったりする方が、目標を正しく設定できるかもしれません。

まとめ

今回は「シンデレラ体重」とダイエットについて、説明しました。

まとめると、以下のようになります。

ポイント
  • 現在言われている「シンデレラ体重」は、BMI=18.0という、健康面ではリスクのある数字!
  • 健康面で見ると、BMI=22.0というのが最も健康的ですが、美容も考慮するとBMI=20.0~21.0程度を目標に。
  • サプリメントや健康食品は、あくまでサポートです。普段からバランスのいい食事や運動を心がけましょう。

ダイエットは「減らす」よりも「維持する」というのが大切です。

維持できない=リバウンドする

ということですので、たとえば「夏までに○○kgになる!」という目標を立てたら、次は「次の夏まで○○kgを維持する!」を目標にしていただきたいですね。

 

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