料理で減塩を成功させる5つのコツ!高血圧の予防や改善にもおすすめ!

「日本人は塩分を摂りすぎている」と言われています。

和食は、脂肪分の多い洋風の食事に比べてヘルシーな健康食というイメージがありますが、実は「塩分が多い」という欠点もあるのです。

味噌汁や、醤油を使った煮物などは、美味しく仕上げるために塩分が多くなりがち。

そのため、欧米に比べて「高血圧」や、そこから引き起こされる「脳血管疾患」などの血管に関係する病気が多くなっています。

高血圧を予防するためには「減塩」が大切……とは言うものの、塩を減らすと料理が美味しくないのでは?という疑問もありますよね。

今回はこの「減塩」について、美味しく料理するコツも含めて紹介します。

日本人の食事は塩分が多め

冒頭で説明したとおり、和食はもともと塩分が多い傾向にあります。

宮沢賢治の「雨ニモマケズ」に記されている食事……「玄米四合」と「味噌」と「少シノ野菜」を見ても、和食には最小限の要素でも「味噌」という塩分が必要なのです。

塩分自体は人間が生きるために必要な栄養素のひとつなのですが、実際に必要なのは1日に1.5g程度と言われています。

国民栄養調査の結果

厚生労働省が平成28年の10月~11月に行った「国民健康・栄養調査」によれば、日本人の塩分摂取量は平均で9.6g

10年前の平成18年度の調査では10.8gでしたので、近年の健康志向や減塩の啓蒙によって摂取量は下がっているようです。

しかし、それでも食塩摂取量は多めというのが現状です。

2015年度の食事摂取基準

厚生労働省では、5年ごとに「食事摂取基準」というものを発表しています。

日本人が摂取するべき栄養の「目標量」を示すものなのですが、最新の2015年度版では食塩の摂取目標量は「成人男性で8.0g未満、成人女性で7.0g未満」と定められています。

2010年度版の目標量は「成人男性で9.0g未満、成人女性で7.5g未満」だったのですが、さらに下がっているということです。

また、この摂取基準は病気などによってさらに細かく設定されています。たとえば、病院などで提供される心臓病食は1日当たり6g未満となっています。

「病院の食事は薄味」と言われていますが、病院食の献立はこの食事摂取基準に沿って作られているため、特に制限がない場合でも薄味に仕上がることになるのです。

以下の図は、平成18年度から平成28年度までの塩分摂取の平均と、厚生労働省の目標量を示したものです。摂取量は徐々に減っているのがわかりますね。

※図は「日本人の食事摂取基準 |厚生労働省」をもとに、筆者が作成。

高血圧予防に減塩が必要な理由

塩分と「高血圧」は、なんとなく関連しているイメージがあるのではないでしょうか。

実際に高血圧の治療には、減塩の食事は有効な手段です。

たとえば「日本高血圧学会」では、前述した病院食の「1日6g未満」の塩分摂取目標を推奨しています。日本人の平均摂取量が9.6gですから、およそ3分の2です。

食塩の摂取量が非常に少ない地域においては、高血圧はほとんど見られない病気です。また、加齢に伴う血圧の上昇も同じように見られないと言われています。

つまり、減塩は高血圧の予防のためにも意味があるものと考えられるのです。

日本の塩分摂取目標は、先ほど「男性8.0g、女性7.0g」と紹介しましたが、欧米では「6g」という目標を掲げている国もあります。

さらにWHO(世界保健機関)では、すべての成人の塩分摂取は「5g」という目標を設定しているのです。

冒頭にもありますが、日本の食事は塩分が多くなりがちなので、普通に食事をしていると5~6gというのはかなり難しい数字。

まずは7~8gの目標達成を目指したいところです。

高血圧のメカニズム

では、なぜ塩分の摂りすぎで高血圧が起きるのでしょうか?

そもそも「血圧」というのは、血管にかかっている圧力のことです。血管の中に入っている血液の量が増えるなどすれば、内側から押す力(圧力)が大きくなります。

塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウムの濃度が高くなります。

血液中にナトリウムが濃くなると、それを薄めて正常に戻すため、中枢神経は「のどが渇いた」と伝えます。

しょっぱいものを食べすぎるとのどが渇くのはこのためですね。

そして水分を摂ると、血液は薄まってナトリウムの濃度は元に戻りますが、血液の量が増えるために血圧が高くなります。

この状態が長く続くと、血管は常に張り詰めた状態になり、徐々に厚く硬くなる「動脈硬化」を引き起こします。

もともと血管はある程度伸び縮みができるのですが、動脈が硬くなると血管の柔軟性が衰えるため、血管の破裂などを引き起こしやすくなるのです。

また、血液の量が多い状態では、全身に血液を送り込むためには強い力が必要です。

そうなると心臓に負担をかけることになり、心臓が大きくなる「心肥大」や「心不全」の原因となってしまいます

カリウムの役割

野菜や果物に多く含まれる「カリウム」は、血圧を下げる働きがあります。

高血圧の原因になるのは先ほど挙げた「ナトリウム」ですが、カリウムはナトリウムと密接な関係にある栄養素です。

簡単に説明すると「ナトリウム」は血液中に、そして「カリウム」は細胞内に存在し、このふたつは濃度のバランスが取れるように体内で調整されています。

ナトリウムだけが多く摂取されると、水分を摂って血液を薄めようとするのは先に説明したとおりです。

ここでカリウムを摂取すると、両方の濃度が上がりますよね。

そうなると、水分と一緒にナトリウムとカリウムを排出する反応が起き、結果的に血圧が元に戻るというわけです。

そのため、高血圧の方には「減塩」と一緒に「野菜や果物を積極的に摂る」というのも、推奨されています。

減塩をするための5つのコツ

では、実際に料理をするときの工夫を紹介します。

塩や醤油など、塩分を含む調味料を減らしつつ、美味しく仕上げるにはどうしたらよいのでしょうか?

うま味を利用する

昆布や鰹節、しいたけなどの「だし」は、塩分を控えるために大切な「うま味」を多く含んでいます。

たとえば味噌汁やすまし汁などを作るとき、しっかりと濃いだしを取っていれば、味噌や醤油の量が少なくても、美味しくいただけます。

ただし、市販の「だしの素」には塩分が含まれていますので、注意しましょう。(煮出して使う「だしパック」の場合、塩分は含まれません)

毎食だしを取るのが面倒……という場合には、冷蔵庫に入れて保存できる「だしストック」がオススメです。

タッパーや水差しに入れた水1リットルに、昆布や煮干しなどを入れ、冷蔵庫で一晩置けば完成!汁物だけではなく、煮物や炒め物の差し水にも使えます。

しっかりだしが出たら昆布などを取り出し、冷蔵庫で3~4日保存できます。

汁物は具だくさんにする

これは病院などでも使われる減塩テクニックです。

キャベツやイモ類などで汁物の具を多くすると、お椀に入れる汁の量が少なくて済みますので、結果的に減塩につながります。

野菜をたくさん入れれば野菜のうま味も出ますし、カリウムも多めにとれて一石二鳥のテクニックです。

豚汁などの「肉も野菜も入ったボリュームのある汁物」を、おかずの一品にしてしまうのも簡単でいいアイディアです。

だしストック+具だくさんの汁物で、美味しく減塩を目指しましょう!

酸味を利用する

お酢やレモンなどの「酸味」を上手に使うと、塩味が少なくても満足感が高まります。

たとえば、醤油を使う代わりに酢醤油やレモン醤油、ポン酢醤油などを使うことで、減塩効果があります。

酸味を活かした調味料の塩分を比較すると、以下のようになります。

  • こいくち醤油(大さじ1):2.6g
  • ポン酢醤油(大さじ1):1.1g
  • ケチャップ(大さじ1):0.5g

料理に酸味を使う場合は、少量の甘味を入れることで酸味を和らげることができます。(これを「マスキング効果」と呼びます)

トマトにはグルタミン酸という「うま味」が多く含まれているので、スープやソースのだしとして使えるのですが、酸味が強いとあまり感じられません。

そういった時は、甘さを感じない程度の砂糖などを入れると、酸味がほどよく抑えられて美味しく仕上がるというわけです。

油を利用する

適度な量の油は、こってりとした味わいを生み出して、美味しく減塩ができます。

たとえば、青菜はお浸しよりも、ゴマ和えやクルミ和えの方が、塩分を控えても美味しく仕上げられますよね。

デミグラスソースなども、うま味+油の味が美味しさのポイント。和食よりも洋食の方が塩分控えめなのは、このためなのです。

たとえば、外食のハンバーグのソースで比較すると、以下のようになります。

  • ビーフハンバーグ(和風):3.1g
  • ビーフハンバーグ(デミ):1.9g
  • 和風おろしハンバーグ:2.6g

【出典】【ジョナサン】アレルギー物質使用一覧表

ドレッシングも、ノンオイルのものは塩分が多くなりがちです。

エネルギー(カロリー)のことも大切ですが、塩分も気にしながら選びたいですね。

スパイスやハーブを利用する

スパイスやハーブの香りを上手に使うと、塩味を控えても料理が美味しくなります。

市販のハーブソルト(スパイスやハーブをミックスした塩)は、料理を手軽に美味しく仕上げられる便利な調味料ですが、実は塩分も控えることができるのです。

他にも、以下のようなスパイス・ハーブの活用法がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • ガーリック:炒め物やソテーなどに使って、香りを効かせましょう。
  • バジル:トマトやチーズなどと相性抜群のハーブです。
  • タイム:コンソメスープなどの洋風メニューによく合います。
  • 七味唐辛子、ラー油:味噌汁やすまし汁など、和風の汁物に加えると風味がアップ。
  • カレー粉、ガラムマサラ:炒め物や肉料理の風味を手軽に変化させられます。

まとめ:減塩は常に意識しましょう

今回は、高血圧の説明と、その予防に役立つ「減塩」の方法などを紹介しました。

まとめると、以下のようになります。

  • 高血圧は、血液の量が増えるなどの原因で血液の量が増え、血管を圧迫している状態です。
  • 高血圧の予防や改善のためには、血中のナトリウムを減らすのが大切。つまり、減塩とカリウムの摂取です。
  • 減塩のコツ1、だしを利かせてうま味を活かしましょう。
  • 減塩のコツ2、汁物は具だくさんで。
  • 減塩のコツ3、お酢やレモンなどの酸味を上手に使いましょう。
  • 減塩のコツ4、洋風の料理はを使っているので塩分は少なめです。
  • 減塩のコツ5、スパイスやハーブの香りで、いつもの料理も薄味で満足!

普段から意識すると、薄味の料理に慣れて、減塩はより達成しやすくなります。

健康管理のために、ぜひ減塩を心がけましょう。

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