健康的な食事のお墨付き「スマートミール」制度の内容と上手な活用法

健康のためには「バランスのいい食生活」が大切です。

と、言うのは簡単ですが、どのような食事を摂れば「バランスのいい食生活」になるのかはわかりにくいもの。

そこで以前、具体的な指針として、厚生労働省と農林水産省が発表した「食事バランスガイド」を紹介しました。

今回紹介するのは「食事バランスガイド」より、さらに具体的なものです。

飲食店での食事や持ち帰りのお弁当など、実際の食事を見て、食べることで「栄養バランスのいい食事」を体験できれば、わかりやすいですよね。

そこで、一定の基準を満たした「栄養バランスのいい食事」を認証する「スマートミール」の制度が始まります。

新しい制度ですので耳慣れないかと思いますが、今回はこの「スマートミール」について詳しく説明します。

スマートミールとは栄養バランスのとれた食事

スマートミールとは、健康的な生活を支えてくれる、栄養バランスのとれた食事のこと。

栄養バランスのとれた食事が、外食や持ち帰りの食事で提供されるようになるのです。

この制度が作られた背景には、厚生労働省の「健康な食事」の普及に関する発表があります。

生活習慣病の予防や健康増進のための食事を推進することで、日本人の健康寿命を伸ばそうというわけです。

ちなみに「健康的な食事」のリーフレットでは、主食・主菜・副菜の揃ったバランスのいい食事も紹介されています。

非常にわかりやすい説明ですので、これも参考になるのではないでしょうか。

【出典】日本人の長寿を支える「健康な食事」の普及について |報道発表資料|厚生労働省

この発表を受けて、日本栄養改善学会と日本給食経営管理学会が中心となって作られたのが、この「スマートミール」の制度です。

厚生労働省の「生活習慣病予防その他の健康増進を目的として提供する食事の目安」や、2015年版の食事摂取基準、さらに給食会社4社が実際に作っている「ヘルシーメニュー」を分析して、その基準が作られています。

エネルギー量(カロリー)や塩分を始めとした栄養バランスはもちろん、献立の組み合わせにも気を使った食事になりますので、普段の食事の参考にもなるでしょう。

スマートミール制度の目的

「スマートミール」の制度は、健康寿命を延ばすために、外食や中食(なかしょく。持ち帰りの食事のこと)でも、健康な生活をサポートする食事が選べることを目的にしています。

現状、外食や中食に対するイメージは、あまり良くないですよね。たとえば味が濃くて塩分を摂りすぎるとか、野菜が少なくて栄養のバランスが悪いとか。

とかく悪者にされがちな外食や中食ですが、日本人の食糧消費の約8割は、加工品と外食なのです。

現在の食生活には、外食や持ち帰りの食事も重要な位置を占めているのは、みなさま実感するところでしょう。

家庭での「手作り料理」も大切ですが、これらの食事を無視するわけにはいきません。

外食や中食でも健康的な食事を選べなければ「バランスのいい食生活」は実現できないということですね。

普段の食生活に取り入れる外食や中食を「スマートミール」にすることで、より「バランスのいい食生活」を目指せるでしょう。

エネルギー(カロリー)による分類

スマートミールは、1食当たりのエネルギー(カロリー)の量によって「ちゃんと」「しっかり」の2種類に分けられます。

「ちゃんと」は、エネルギー量が少ない分類。

一般的な成人女性や中高年の男性に合わせた450~650 kcalとなっています。

「しっかり」は、エネルギー量が多い分類。

一般的な成人男性や活動量の多い女性に合わせた650~850 kcalが基準の量です。

【出典】スマートミールのリーフレット

外食や持ち帰りの食事でスマートミールを選ぶ際には、自分に合ったエネルギーのものを選ぶのが大切ですね。

スマートミールの基準

スマートミールの基準は、以下の通りです。

  • エネルギー量は「1食当たり450~650 kcal未満(ちゃんと)」と「1食当たり650~850 kcal(しっかり)」の2段階。
  • 料理の組み合わせの目安は、(1)「主食+主菜+副菜」パターン、(2)「主食+副食(主菜、副菜)」パターンの2パターンが基本。
  • エネルギー源になる「タンパク質」「脂質」「炭水化物」のバランスが、食事摂取基準2015年版に示された「18歳以上のエネルギー産生栄養素バランス(タンパク質のエネルギーが13~20%、脂質のエネルギーが20~30%、炭水化物のエネルギーが50~65%)」の範囲に入ること。
  • 塩分は、「ちゃんと」が1食当たり3.0g未満、「しっかり」が1食当たり3.5g未満。
  • 牛乳・乳製品および果物には基準を設定しないが、適宜取り入れることが望ましい。
  • 特定保健用食品や、特定保健用の素材を使用しない。

【出典】スマートミールの基準 | 「健康な食事・食環境」認証制度

この基準を満たしているかを判断するために、管理栄養士や栄養士がスマートミールの作成や確認に関わっている必要があります。

しっかり栄養計算もされているメニューであれば、信頼できる基準と言えますね。

また、スマートミールの選択に必要な栄養情報などがわかるようにされていたり、説明できる人が店内にいたり、店内が禁煙だったりと、食事以外にもルールがあります。

スマートミールを上手に使うには

自分の活動強度を知りましょう

スマートミールを活用するには、自分に合った食事が「ちゃんと」なのか「しっかり」なのかを把握する必要がありますね。

自分に適したエネルギー量を知る目安として、「生活活動強度」というものがあります。

年齢と性別、そして生活強度によって、自分に必要なおおよそのエネルギー量が求められます。

生活活動強度は、以下に示す生活スタイルのうち、自分の生活に最も近いものになります。

生活活動強度1(低い)

散歩や買物などのゆっくりした1時間程度の歩行のほかは、大部分を座り仕事や読書、あるいはテレビ観賞や音楽鑑賞などをしている生活。

寝ていたり座っていたりする時間が12時間程度、歩いている時間が1時間程度という生活の場合、ここに当てはまります。

生活活動強度2(やや低い)

通勤や仕事などで2時間程度歩いていて、家事などの立って行う作業がある以外は、大部分は座り仕事や談話などをしている生活。

歩く時間がトータルで5時間程度、寝ていたり座っていたりする時間が10時間程度という生活が、ここに当てはまります。デスクワークがメインという方は、多くがここに当てはまるでしょう。

生活活動強度3(普通)

デスクワークがメインの方でも、1日1時間程度のウォーキングやサイクリングなど、強めの運動を習慣にしている場合や、立ち仕事がメインで、1日1時間程度は農作業や漁業などの比較的強い作業を行っている生活。

立っている時間と歩いている時間が合計で14時間程度という生活ですので、飲食店やお店での接客など、立ち仕事がメインという方がここに当てはまるでしょう。

生活活動強度4(強い)

1日のうち1時間程度は、筋トレなどの激しいトレーニング、または木材の運搬、農繁期の農耕作業などのような強い作業を行っている生活。

日常的にトレーニングを行っている方や、肉体労働がメインのお仕事をされている方は、ここに当てはまります。

スマートミールの分類で「ちゃんと」に当てはまるのは

  • 生活活動強度1の成人男性
  • 生活活動強度2~3の成人女性

50歳以上の男性の場合は生活活動強度2でも「ちゃんと」のエネルギーがちょうどいい量になります。

「しっかり」の分類に当てはまるのは

  • 生活活動強度2~4の成人男性
  • 生活活動強度4の成人女性

です。

一日あたり2000kcalを超える「しっかり」の食事は、前提として「身体を動かすための食事」となります。

自分の生活と照らし合わせて、最適な量のスマートミールを選びたいですね。

普段の食事で摂りたい食品

スマートミールの基準にある通り、牛乳・乳製品と果物については「なくてもいいけれど、あれば望ましい」というものになっています。

とはいえ、乳製品や果物は「食事バランスガイド」でも、1日2皿は摂りたいものとされています。

スマートミールを選ぶ際に、乳製品や果物が付いていない場合は、普段の食事から摂りたいところですね。

ちなみに、スマートミールに牛乳・乳製品を付ける場合は100~200g(150kcal未満)、果物は100~200g(100kcal未満)という基準が設けられています。

ただし、これらは「あれば望ましいオプション」になりますので、スマートミールの「ちゃんと」「しっかり」の基準を満たした上での、あくまで「プラスアルファ」です。

つまり「ちゃんと」であれば650kcal以上、「しっかり」であれば850kcal以上のメニューになる可能性がありますので、覚えておきたいですね。

9月に本格始動予定

スマートミールの認証制度は、2018年の4月から応募が始まります。

つまり、スマートミールを提供しようとするお店や会社が、認証を受けるための手続きを4月から開始するということです。

その後、9月にかけて審査を行い、9月3日に認証式が行われる予定になっています。

つまり、2018年の9月から「スマートミール」を提供するお店が現れるということですね。

ちょっと気の長い話になりますが、今のうちに知っておけば、すぐに生活の中に取り入れることができるでしょう。

まとめ

今回は「バランスのいい食生活」を具体的に見て食べて理解できる「スマートミール」の制度について説明しました。

まとめると、以下のようになります。

  • 栄養士によって栄養のバランスを計算された「健康的な食事」が、スマートミールです。
  • スマートミールには、450~650 kcal未満の「ちゃんと」と、650~850 kcalの「しっかり」の2種類が存在します。
  • 店内などで情報提供が行われていたり、店内を禁煙にしたりなど、食事以外のルールも存在します。
  • 自分の生活活動強度によって「ちゃんと」と「しっかり」を選ぶのがポイントです。「しっかり」は、体を動かすことが前提のエネルギー量です。
  • 牛乳・乳製品や果物は「プラスアルファ」の扱いなので、付いていない場合は普段の食事の中に取り入れましょう。
  • スマートミールの本格的な始動は9月を予定しています。

「バランスのいい食生活」のお手本となる、この「スマートミール」。

実際に動きだした際には、ぜひ一度参考のために利用してみてはいかがでしょうか?

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