死亡リスクを減らせる健康に良いとされるおすすめのスポーツを分析

健康のために適度な運動は欠かせません。

新しい年に、新生活に、何等かのきっかけでこれから新しいスポーツをやってみようかと思われている方。

どうせならば、病気になりにくいとか健康維持に最適とか、そういった健康上のメリットがあると良いと思いませんか。

2016年に公開された研究結果で、健康によいとされるスポーツの種目が明らかになりました。

この記事ではそんな健康に良いとされるスポーツの種目を紹介していきます。

8万人の縦断調査

人が健康に生きることにとても関心が高い昨今。

健康のための3要素、「食事」「運動」「睡眠」のこの3つのうち「運動」に着目すると、国内でもフィットネス産業が盛んで、健康志向の女性をはじめ、運動することがトレンドの一種になっています。

一口に運動といっても、外でアクティブにスポーツなどをする派と、フィットネスジムを利用する派と恐らく2通りにわかれるのではないかとは思いますが、今回はスポーツの種目を取り上げて、どんなスポーツが健康によいのかを調査した結果をご紹介します。

調査の概要

2017年5月に公開されたこの研究は、British Journal of Sports Medicineという、イギリスのスポーツ医学の雑誌の中で最も権威のある論文に掲載されました。

Associations of specific types of sports and exercise with all-cause and cardiovascular-disease mortality: a cohort study of 80 306 British adults.

研究のテーマは、各種スポーツと死亡率との関係を分析して、どのスポーツが健康に最も有益であるかを明らかにすること。

研究のための調査は、1994年から2008年の間に11回にわたって、イギリスとスコットランドの約8万人に健康に関する設問とどんなスポーツや活動を行っているかといった設問が聞かれました。

この時、スポーツや活動を「汗をかき息を切らせた活動」と定義して調査したそうです。

この研究で、分析の対象として平均年齢は52歳の方を平均9年間追跡して、その後の死亡状況や健康状況を調べました

その結果、国が健康の目標ラインとして設定している身体活動レベルに達していた人は44%でした。

対象者のうち、8,790人が死亡、このうち1,909人が心臓病や脳卒中で死亡したとのことです。

死亡リスクの低下につながるスポーツ

調査したスポーツはたくさんありましたが、それらを次の6つの種類にわけました。

  • サイクリング
  • 水泳・エアロビクス・体操・ダンス
  • ランニング・ジョギング
  • フットボール・ラグビー
  • バドミントン・テニス・スカッシュ

もちろん、同じカテゴリーでも身体の使い方は違いますし、そのため身体への影響も変わってくるはずです。

でも研究では分析しやすいようにカテゴライズするのが基本。

これらのスポーツを行っているグループと何も行っていないグループで、その後の死亡率を比較しました。

すると、下記のような結果が明らかになったのです。

  • ラケット競技:死亡率47%低
  • 水泳:死亡率28%低
  • エアロビクス:死亡率27%低
  • サイクリング:死亡率15%低

つまり、何もスポーツをしていないグループと比較して一番死亡率が低かったのがラケット競技

次いで水泳、エアロビクスという順になりました。

循環器疾患による死亡リスクの低下につながるスポーツ

また、研究チームは死亡の原因も調べ、循環器疾患による死亡率とスポーツとの関連も分析しました。

循環器疾患とは、血液を体内に循環させるための機能のいずれかに何等かの異常が起きること。

よく知られている脳出血や心筋梗塞、くも膜下出血などは循環器疾患の1つです。

この循環器疾患は、運動することによって予防効果があることがさまざまな研究で明らかになってきました。

こちらの研究は、40~79歳の男女73, 265人の運動習慣を約10年間追跡調査したものです。

Walking and Sports Participation and Mortality From Coronary Heart Disease and Stroke. Journal of the American College of Cardiology 46(9), 2005, 1761-1767

循環器疾患による死亡と運動習慣との関連を調べました。

出典:国立循環器病研究センター 「体を動かそう!─ 運動で循環器病予防 ─」

左のグラフは、1日あたりの歩行時間と循環器疾患による死亡の関連について、右のグラフは1週間あたりのスポーツ時間の合計と循環器疾患による死亡の関連を示しています。

「ここを1とした場合」という表現は、疫学研究の解析結果で基本となる表現ですが、要するに「ここを基準にした時の」と言い換えて理解していただいてOK。

グラフの縦軸が死亡リスク、横軸はそれぞれ1日の歩行時間と1週間のスポーツ時間合計となっています。

どんなふうに読み取るかというと、

1日30分歩くグループと比べると、30分より短いグループは循環器疾患による死亡リスクが約1.4倍弱になるし、1時間以上歩くグループは0.8倍になる、つまりリスクが減る。

このような感じ。

左のグラフが意味することは、歩行時間が長いほど循環器疾患による死亡リスクが減るということ。

右のグラフでは、1週間のスポーツ時間合計が長いほど循環器疾患による死亡リスクが減るということを意味します。

この研究結果からも、循環器疾患による死亡リスクは運動習慣とガッチリつながっているよということ。

では、どの種目が??ということで今回の研究でわかったことがこちら。

運動をしない人に比べ、心臓血管疾患の死亡リスクが低かったのは、

  • ラケット競技:循環器疾患による死亡リスク56%低
  • 水泳:循環器疾患による死亡リスク41%低
  • エアロビクス:循環器疾患による死亡リスク36%低

一方、絶対に効果があるはずだと予想されたランニングやジョギングはというと、この研究からは「関連なし」という結果が算出されました。

まとめると、テニスやバトミントンなどラケットを使うスポーツ、水泳、エアロビクスをやっている人は長寿になるということ。

あくまで、1つの研究結果ということなのでこれが全てではありませんが、この研究は、これまでランニング・ジョギングが一番だという学説をひっくり返すものでした。

テニスの錦織くんのがんばりでテニス人気に火がつき、近年は日本人選手もがんばっているため、これを機にテニスをやってみようという方もいらっしゃるかもしれません。

ぜひぜひ、テニス人気にあやかってついでに健康長寿にもつながればバンザイですね。

おわりに

今回はラケット競技が健康に良いという結果になりました。

とはいえ、一概にこのスポーツが良いということはないと思います。

格闘技などの身体の損傷が激しいスポーツは短命とも言いますし、今回第1位だったラケット競技も、基本の動作は体の「ひねり」。

ひねりは日常生活をする上で別になくても良い動作。

元来人間の体は「ひねり」を想定した構造になっていないので、酷使しないほうが良い。

ひねりが原因の腰痛や関節の損傷などのケガが多いのも事実です。

だからきっと、プロのラケット競技選手と趣味程度で無理のない範囲でやる人、ちょっと無理して故障しがちな人などで比較するとまた違った結果が出てくるかもしれません。

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